私は約15年程、印刷会社、デザイン制作会社、広告代理店などの複数社で主に紙媒体の制作業務に携わってきました。長年、自分が携わり、お世話になった業界ですが、これから社会に出て、就職しようとしている若者や印刷業界、DTP職に転職を考えている人には全くおすすめできません。そもそも今時であれば、ネットで調べればいくらでも業界の状況や現実を知ることができるので、就職希望する人もほとんどいないのではないかとも思いますが、中には「クリエイティブなお仕事がしてみたい!」「ものづくりに携わりたい」とか思ってしまって、うっかり就職希望してしまうような、おっちょこちょいな方もいるかもしれないので、業界に長くいた人間なりのおすすめできない理由を書いていこうと思います。
1.残業、休日出勤が尋常でなく多い
DTP業界はとにかく残業、休日出勤が多いです。定時帰りなど夢のまた夢で、終電帰りは、まだ良い方で、ひどい時には連日の徹夜作業で帰れない日が続くこともザラにあります。業界全体に、長時間労働が蔓延しているため、残業があって当たり前という意識があり、なんなら自分がどれだけ残業したかを誇らしげに自慢しはじめる始末。しかも、恐ろしいことに多くの場合、残業代はでません。ザ・サービス残業!責任感の名のもとにサービス長時間残業を当たり前のようにおこなう、それがDTP業界なのです。
2.給料が安い
DTP職の場合、特にDTPオペレーターだと、給料が非常に安いです。会社とすれば、単純作業をする人間に経費をかけたくないというところでしょうが、正直、若いうちはともかく、一生やっていくにはあまりにも厳しい給料です。これがデザイナーやディレクターにジョブチェンジすると、また、給料もあがっていきますが、激務に見合う給料になるかどうかは、非常に怪しいです。
3.業界全体が斜陽産業
DTP業界は基本的に、ここ20年くらい、ずーっと斜陽産業の業界です。斜陽産業になっている原因としては、インターネットの発展、普及による情報媒体のペーパレス化、アプリケーションの発達によって、誰でもチラシデザインくらいはできるようになった、(できるように思われるようになってしまった。) それにともない、スキルとしての価値が暴落してしまった、などなど複数の要因があげられると思います。いずれにせよ結果としては、長年、業績が右肩下がりで、この先、景気がよくらいなる可能性も皆無です。そんな斜陽業界にいる経営者や、他の業界にいまさら転職することもできないベテランは基本的に何とか現状維持することしか考えていません。斜陽業界だと現状維持していくことすら大変なので、新人や中途入社の人間はデザインの仕事であれば、これくらい当たり前のお題目のもとに使い放題使われることになるでしょう。
結論としてはとにかくおすすめしません。
ザックリ3項目でDTP業界をおすすめしない理由を書いてみました。他にもおすすめできない理由は、まだまだ、たくさんありますが、今回はこれくらいにして、書ききれない部分は次回にまわしたいと思います。DTP業界に興味があったり、就職、転職を考えている人の参考になれば幸いです。ではでは。
※本記事は2022年に記載したものを再アップした記事です。
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